常性寺は、鎌倉時代の創建当時から
皆様に親しまれております。
常性寺を知る
境内のご案内
薬師寺(本堂)と薬師如来
STORY 常性寺の成り立ち
常性寺は、正式には「医王山長楽院常性寺」と称し、
鎌倉時代に創建された由緒ある真言宗豊山派の寺院です。
往古は多摩川沿いに壮麗な諸堂が建立されていましたが、
安土桃山時代の慶長年間に旧甲州街道沿いの現在地に
移築させられました。
その後、江戸時代に祐仙法印が
上総国成田山新勝寺より成田不動尊を勧請して中興したといい、
以来、「調布不動尊」と称されて広く皆様に親しまれています。
STORY 鎌倉時代に造像されたご本尊「薬師如来」
當山の御本尊薬師如来は鎌倉時代に造像されたものです。
お姿は金銅仏で、高さ2尺5寸(75cm)の座像であります。 そして、左手には薬壺を持ち、
「我之名號 一経其耳 衆病悉除 身心安楽」『私の名號がひとたびでも、その耳に触れたなら
衆病ことごとく除かれ身体の心の満足を得て、安楽にいたらせたい』 という御誓願をおたてになりました。
病を取り除いて悟りへ
この御誓願は、遥か遠い東方の浄瑠璃の浄土におられ、
我々衆生の肉体的苦しみによる体の病、
そして精神的苦しみによる心の病を取り除いて頂き、
仏の教えを聞き、悟りの道を実践することができるようにとのお心からであります。
よって、人々の苦しみを取り除く医療に譬えられ、「最高の医者」とも称される由縁となっているお薬師さまを信仰して、自分を達者にして頂くのは健康になって社会の為、他人の為に尽くそうとの考えでなくてはなりません。
不動堂と不動明王
STORY
鎌倉時代から続く、
由緒正しき
「厄除け不動」
常性寺不動堂は鎌倉時代に多摩川沿いに創建されましたが、
慶長年間(1596~1615年)に旧甲州街道沿いに移築し、
現在に至っております。不動堂には、成田山不動尊を勧請
した不動明王をお祀りしております。
この不動明王は、調布のお不動さんとして、地元の方々に
長く親しまれております。
STORY 願いを叶えるお不動さま
常性寺の調布不動尊は、上総国成田山より成田山不動尊を勧請した不動明王を中心に、降三世明王・軍荼利明王・大威徳明王・金剛夜叉明王を加えた五大明王をお祀りしております。
中でも不動明王は『厄除け不動』として親しまれ、具体的な生活の望みも叶えるという事で、方位災除けや交通安全、家内安全や商売繁昌など様々な願い事をお不動さまに御祈願しております。
地蔵堂
STORY
たったひとつの
お願い事を託す、
一願地蔵尊
文化財
「石仏馬頭観音」
常性寺へお越しの際は「石仏馬頭観音」へ
ぜひご参拝ください。
文化財「石仏馬頭観音」について
常性寺の「石仏馬頭観音」は、昭和44年11月12日に調布市の民俗文化財に指定されました。
もともとこの石仏は、調布周辺から八王子・長沼・矢ノ口・菅あたりまでの馬持ち衆によって
文政七年(1824)に建立されたものであり、その昔、甲州街道の小橋(現馬橋から西50m)の
「すてば」にあったものを、度重なる拡幅で再度にわたり移動した後、
現在地に安置されるようになったものです。
STORY
調布の交通手段を知る
貴重な資料
馬頭観音の像を彫った供養塔は市内でも珍しく、
また商人を含む多数の村民が造立したことも知られている
貴重な像塔のため、昭和44年11月12日に、
調布市の民俗文化財に指定されました。
碑文には、当地の世話人と共に「八王子縞買中」と記されているところから、その頃の呉服商人が盛んにこの周辺の街道沿いを、当時の交通手段であった馬を引いて織物を買い歩いていたと推測されています。
このことは、調布の特産物として「縞木綿」が盛んに織り出されていたことを知る貴重な資料ともなっております。
常性寺へお越しの際は、 ぜひともこの「石仏馬頭観音」へ御参拝ください。
石仏に刻まれた碑文
「馬頭観音」の由来
もともと馬頭観音は、インド神話に登場するヒンズー教の説話に由来するものでした。
それが時代を経るうちに、馬頭を頂いた観音様の像を拝観する民間信仰に発展してゆき、
今日では、様々な姿をした馬頭観音像が数多く残っています。
自動車や自転車がなかった時代、人々は馬を交通手段として荷役や情報伝達の助けにしていました。
当時の人々にとって、馬は、家族同然に扱われるほど貴重な存在でしたので、馬の無病息災や道中の安全祈願、
また、商売の一助を担っていた大切な馬が死んでしまった際の慰霊のためなどに、石仏の馬頭観音をお祀りする
信仰が民間に広まったのだと言えましょう。
現在、街道沿いのあちらこちらに残っている多くの馬頭観音像は、その沿道が当時の主要な陸上交通ルートで
あったことの証しとなるものであり、地域の歴史的・考古学的資料として重要な保護の対象に指定されております。
同様に、旧甲州街道沿いに位置する常性寺に伝わるこの石仏馬頭観音も、
このような深い歴史的背景を持っていると考えられます。
常性寺へご参拝いただいたおりには、ぜひとも、この 「石仏馬頭観音」にもお立ち寄りください。
悠久の歴史に思いを馳せ、寛ぎのひとときをお過ごしいただけることと思います。
札所のご案内
昔も今も人生の苦しみを癒し、
安らぎを与えてくれる、
祈りの旅。
常性寺は、関東八十八ヶ所霊場の第六十九番札所であり、
また多摩八十八ヶ所霊場の第六番札所ともなっており、
毎年多くの参拝者が訪れます。
お大師さま(弘法大師空海)は、仏さまの力となってどこにでも、
いついかなる時でもこの世におられます。また、私たち自身の中にも生きております。
この霊場はお大師さまを訪ねる旅であると同時に本当の自分を見つけ出す旅です。
「南無大師遍照金剛」というお大師さまのお名前を合言葉に「同行二人」お大師さまとご一緒に旅に出かけましょう。
関東八十八ヶ所霊場は、四国八十八ヵ所の写し霊場として、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬に数多く広がっており、関東の有名な寺院や大きな寺院がほぼ網羅されております。
どれもとても広範囲に広がっているために短期間での巡礼は、あまりおすすめできませんが、都心からのアクセスは比較的良いといえるので、時間をかけてのんびりと関東地方を観光しながら何度かに分けて楽しむのには非常に魅力的な霊場であると思います。
多摩八十八ヶ所霊場は、東京都下の市や西多摩郡に配置されている札所からなり、都心からおよそ電車で1時間くらいの地点にあります。
交通の便利が比較的よい上に、東京とは思えないような自然の残る田園風景が満喫できるので、週末を利用してちょっとした遠足気分でお参りができる霊場です。
調布七福神巡り
常性寺の「布袋尊」
常性寺には、調布七福神の一つに数えられている「布袋尊」が祀られております。毎年、新春に開催される
「調布七福神巡り」の際には、多くの参拝者が訪れ、賑わっております。